2012年バカロレア試験「哲学」の問題は今年も難題?!

Photo © afp.com/Martin Bureau
大学の入学資格を得るための統一国家試験、バカロレア(Baccalauréat, 通称Bac バック)。今年は6月16日に、例年通り「哲学」の試験からスタートしました。70万人以上の学生たちが挑むバカロレアですが、私ならこの哲学の問題だけでギブアップしてしまいそう・・・議論したり理屈を通したりするのが大切なフランス人気質は、こうして培われていくのでしょうか。
フランス語の問題に日本語訳を添えましたが、あくまでもトリコロル・パリの解釈ですので細かなニュアンスなど異なる部分もあるかもしれませんので、ご了承ください。



(3つのうち好きな1問を選んで答えよ)
文系
-Que gagne-t-on en travaillant?
(働くことで人間は何を得るか?)
-Toute croyance est-elle contraire à la raison?
(いかなる信仰も理性に反するのか?*)
-Commentaire: Spinoza «Traité théologico-politique»
(スピノザの『神学・政治論』についてコメントせよ)

理系
-Serions-nous plus libres sans l’Etat?
(国家が無くなることで我々はより自由になるか?)
-Avons-nous le devoir de chercher la vérité?
(我々は真実を探求する義務があるか?)
-Commentaire: Rousseau, «Emile ou De l’éducation».
(ルソーの『エミールまたは教育について』についてコメントせよ)

経済・社会系
-Travailler, est-ce seulement être utile?
(労働するということは、単に人の役に立つということなのか?*)
-Peut-il exister des désirs naturels?
(自然の欲望は存在するか?)
-Commentaire: George Berkeley, «De l’obéissance passive»
 (ジョージ・バークリー『De l’obéissance passive』についてコメントせよ)

*印の日本語訳はevariste albiniさんによるものを使わせていただきました。

2 Comments
  1. Toute croyance est-elle contraire à la raison?
    →いかなる信仰も理性に反するのか?

    Travailler, est-ce seulement être utile?
    →労働するということは、たんに人の役に立つということなのか?

    などなど。
    このサイトは、フランス語学習者も読んでいます。
    もう少し正確な訳文をつけられませんか?
    この程度の訳文では、あまりいい点数をあげられません。これがテストなら。

    1. 参考までにと掲載している翻訳ですが、
      できる限り正しく訳すよう心がけているつもりです。
      しかしながら、確かにご指摘いただいた部分は、
      evariste albiniさまの翻訳が正確であると思いましたので、
      修正させていただきました。

      ご指摘ありがとうございました。
      これからもトリコロル・パリをどうぞよろしくお願いいたします。